HANAオーガニック代表の林田さんに「乾燥」について、とてもマニアック(笑)なお話を聞ける機会があり、肌の乾燥と微弱炎症について詳しくお話を伺ってきました。
このブログを読んでくださっている方は、私と同じように乾燥肌さんや敏感肌さんがとても多いと思いますので、ぜひ参考にしてみてくださいね♪
肌がカラカラで「枯れ井戸現象」を起こしている現代女性がとっても多い現状
現代女性は、肌がカラカラに乾燥してしまう「枯れ井戸現象」を起こしている方が多いんだそうです。
枯れ井戸現象とは、
- 化粧水、乳液、クリーム、オイル、4種類使っているのに肌が乾燥している。
- 肌内部がスカスカしている感じがして、肌がしっとりしない。
- 肌が乾燥すると、赤みやかゆみがでやすくなる。
と、このような肌状態になることを指すそうですが、乾燥肌の方は皆さん、上の3つの状態は経験しているのではないでしょうか。
そして、肌が乾燥するから炎症が起こると思っている方も多いと思います。
(私も今までずっとそう思っていました。)
でもね、実はそうではなかったのです。
肌が乾燥するから炎症が起こるの?いえいえ、実は逆だったのです
乾燥肌や敏感肌さんは、肌が乾燥する時期になると乾燥がひどくなって、最終的には肌荒れに悩まされてしまっている方も多いと思います。
そういう私も、肌の乾燥がひどくなると、肌がガサガサになって粉を吹いたような状態になったり、赤くなってしまったり、痒みがでたり、いつも使っているスキンケア類が刺激になってしまって使えなくなってしまったり・・・と、さまざまな肌荒れの症状が出ます。
今まで私はずっと、
肌が乾燥するから肌荒れが起こる
と、思っていたのですが、実はそうではなかったんです。
最近の研究結果などから、肌荒れは、
肌が微弱炎症を起こしているから、肌が乾燥する
ということがわかってきたんだそうです。
お話を聞いていて、これには私もびっくり!
てっきり、肌が乾燥して肌の状態が悪くなるから微弱炎症が引き起こされると思っていたから。
でも、実際は逆だったんですね^^;
ということで、微弱炎症についてや、なぜ肌が乾燥するのか?について、順を追って詳しくお話していきたいと思います。
肌の潤いのもととなるセラミドやNMFはどこから作られるの?
まずは、肌の潤いのもととなる「自己保湿成分」についてお話したいと思います。
肌は、自分自身で潤いのもととなる自己保湿成分を作り出しています。
それは、肌表面の皮脂膜(皮脂+汗)と、角質層の細胞間脂質・水・NMF。
細胞間脂質は、皆さんがよくご存知のセラミドのこと。
そして、NMFは天然保湿因子のことです。
では、これらは一体、どこから作られているのでしょうか?
セラミドやNMFがどこで作られているのかというと。
実は、死んだ細胞の細胞内液だったんです!
肌細胞は、基本的に28日間で生まれ変わりますよね。
肌の細胞は、この下の図のように、
- 毎晩、肌の一番奥にある「基底層(きていそう)」で新しい肌細胞が生まれます。
- 「基底層」の上にある「有棘層(ゆうきょくそう)」で、しっかりと隣の細胞と細胞がくっついて、肌の基礎を作ります。
- 有棘層の上にある「顆粒層(かりゅうそう)」で、肌のバリアゾーンである角質層の材料と潤いの原料を作り出します。
- 顆粒層の上にある「角質層」で、肌細胞が死んで壊れることで潤い成分であるセラミドやNMFが放出されます。
というように、28日間かけて変化をし、最後は死んでいきます。
肌のいちばん奥にある「基底層」で生まれた肌細胞は、顆粒層で肌細胞のたんぱく質が色々な酵素によって分解されていきます。
酵素で分解されることで、セラミド、NMF、ケラチンになり、角質層を作っていくんです^^
アトピー肌の人の中には、セラミドやNMFが作れない体質の人も
顆粒層で肌細胞のたんぱく質が色々な酵素によって分解されることで、セラミドやNMFが作られていくとお話しました。
ですが、アトピー肌の人の中には、遺伝的にセラミドやNMFがうまく作れない体質の人がいるということもわかってきているんだそうです。
乾燥肌の人はセラミドやNMFを作り出す働きが弱っている
アトピー肌さんは、もともとセラミドやNMFがうまく作れない体質というのがわかってきたとお話しましたが、乾燥肌の人もセラミドやNMFを作り出す働きが弱まってきているんだそうです。
肌のいちばん奥にある「基底層」で生まれた肌細胞は、顆粒層で肌細胞のたんぱく質が色々な酵素によって分解されていきます。
酵素で分解されることで、セラミド、NMF、ケラチンになり、角質層を作っていくのですが、乾燥肌の人はセラミドやNMFを作るための酵素が働かなくなっているんだそうです。
この酵素がとても大切で、これらの酵素がきちんと働いていないと、セラミドやNMFの素となるタンパク質が分解されずに、セラミドやNMFにならないため、日常的にセラミドやNMFが不足した肌になってしまうんだそうです。
最近では、アトピー性皮膚炎や乾皮症(皮膚の表面の脂(あぶら)が減少することにより皮膚の水分が減少して、乾燥を生じてしまう病気)の治療分野でNMFの素となる「フィラグリン(タンパク質)」が、非常に注目されているそうです。
なぜセラミドやNMFの素になるタンパク質を分解する酵素が働かなくなるの?
なぜ、セラミドやNMFになるためのタンパク質を分解する酵素が働かなくなっているのかというと、それは肌内部の炎症が原因なんだそうです。
こんな症状に悩まされてはいませんか?
- 肌が乾燥すると、肌がかゆくなる
- 化粧品がピリピリしみる
- 季節の変わり目や体調の変化によって、いつも使っている化粧品が合わなくなるときがある
- 花粉症や喘息がある
- 化粧水が浸透してくれない
- 背中ニキビが治らなかったり、生理前になるとニキビができたりする
上のような症状が1つでもある場合は、炎症を起こしている可能性が高いそうです。
いつも肌内部で炎症(微弱炎症)が起こっていると、分解酵素やターンオーバーを邪魔する物質が生まれてしまい、セラミドやNMFといった肌のうるおいの素が作られなくなってしまうんです!
タンパク質を分解する酵素がうまく働かなくなってしまい、結果、セラミドやNMFが作られなくなってしまうんですね・・・。
私自身もそうですが、乾燥肌に悩まされている現代女性はかなり多いと思います。
そして、肌が乾燥するから肌に炎症が起こると思っていた方が、私を含めとても多いと思いますが、実は「肌内部に炎症が常に起きているから、重度の乾燥を招く」ということだったのです。
今までは、肌の乾燥は保湿をすればおさまると考えられていましたが、実際には微弱炎症を改善しないかぎり、保湿できないんだそうです。
微弱炎症が起こる原因は?
では、微弱炎症が起こってしまう原因はなんなんでしょうか。
炎症が起こってしまう原因は主に
- ストレスや紫外線などによる酸化
- 皮膚の常在菌バランスが崩れることで悪玉菌が増える
- 自律神経バランスの乱れ
の3つだそうです。
微弱炎症は、免疫システムの過剰反応(免疫過多)。
微弱炎症が起こっている肌は、常在菌のバランスが乱れ、紫外線やストレスなどによって活性酸素が発生することで酸化ダメージが起きてしまい炎症反応の誘発を招き、免疫細胞の機能異常などによって、つねに異物の刺激にさらされている状態になり、免疫システムが過剰に作動して、過敏に反応してしまう傾向があります。
そして、免疫システムが作動しているときは、交感神経が優位が続いている状態のため、副交感神経優位になるように切り替える(副交換優位にならないと免疫システムが落ち着かないため)ことが大切になってきますが、現代女性は自律神経バランスの乱れから、交感神経と副交感神経の切り替えがうまく働かない人が増えているんだそうです。
そしてニキビも交感神経が関係しているんだそうです。
ニキビの原因と言われているアクネ菌は、もともとは悪さをする菌ではないのですが、交感神経が優位状態が続き、アクネ菌に働きかけてしまうことで炎症が起こりニキビができてしまいます。
逆に、副交感神経がきちんと働いていればニキビはできにくいんだそうです。
また、この微弱炎症が肌の乾燥だけではなく、シミやシワの原因につながることも、最近の研究で報告されているそうです。
いつも肌内部で炎症(微弱炎症)が起こっていると、分解酵素やターンオーバーを邪魔する物質が生まれるとお話しましたが、分解酵素などを邪魔する物質の中に、コラーゲン分解酵素などがあるため、コラーゲンやエラスチンなどがどんどん切断されてしまいます。
肌内部で微弱炎症が起こると、炎症を起こしている場所に白血球が集まってきます。
たくさんの白血球が血管のある一部分に集まってしまうことで、血管は広がりますよね。
このときに、コラーゲン分解酵素などで、コラーゲンを切断して血管を広げるんだそうです。
そのため、微弱炎症を起こしている肌は、肌の乾燥だけではなく、シミやシワの原因になるんだそうなんですよ・・・。
ちなみに、炎症とは、
- 肌が赤くなる、腫れる、熱をもつなど
- 痛みが出る
ことを言います。
炎症が起きると、肌が赤くなったり、腫れたり、痛みが出たりするため、ほとんどの方は気づきますよね。
しかし、微弱炎症は名前の通り、微弱な炎症のために、ほとんどの方は肌内部で起こっている微弱炎症に気づかないそうです。
自分では肌に炎症があることに気づいていないけど、実際には肌内部で微弱炎症が起きているわけなんですね。
微弱炎症を鎮め、セラミドやNMFを増やすためには?
炎症を起こす原因がわかれば、その原因を根本的に改善していくことが重要になってきますよね^^
炎症を抑えるためには、
- ストレスや紫外線などによる酸化の炎症を極力抑える
- 皮膚常在菌の悪玉菌を抑えて、善玉菌を増やす
- 自律神経のバランスを整える
ことを意識して、毎日のお手入れをしていくのがポイントです。
植物エキスには抗炎症作用や、抗酸化作用、そして自律神経バランスを整えてくれる作用があるものが多いですよね^^
こうした微弱炎症のケアは、オーガニックコスメの得意とされる分野でもあるので、炎症系のお手入れに向いているといえます。
また肌の常在菌は、化学合成成分などは苦手なため、そういった成分が含まれないオーガニックコスメは善玉菌を育てるケアに向いているといえます。
抗炎症作用のある植物エキス
ローズウォーター、カモミール(カミツレ)エキス、ヘチマエキス、月桃エキス、甘草エキスなど。
抗酸化作用のある植物エキス
ローズウォーター、ローズマリーエキス、ビルベリーエキス、ローズヒップなど。
常在菌の悪玉菌を抑え善玉菌を増やしてくれる植物エキス
悪玉菌の繁殖を抑える、ローズウォーター、ローズマリーエキス。
善玉菌を活性化させる、バイオエコリア。
また、ローズウォーターは、抗菌作用があるのに善玉菌を増やしてくれます。
自律神経バランスを整える植物エキス
ローズウォーター、ネロリ、ラベンダー、イランイラン、ゼラニウム、クラリセージ、サイプレス、ジュニパー、マンダリンなど。
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ただし、植物エキスは乾燥肌さんや敏感肌さんには逆に刺激になってしまうものもあります。
ローズも活性系の成分なので、人によっては肌荒れ時に使うと刺激になる可能性があります。
また、ローズマリーもアレルギーを起こしやすいエキスとして知られていますので、そういう場合は、ヒト型セラミドやアミノ酸などが配合されている、セラミドやNMFを補える敏感肌用スキンケアを使うのも、ひとつの方法だと思います。
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微弱炎症やなぜ肌が乾燥するのか原因がわかることによって、普段のお手入れもそれにあったケアをすることができますよね^^
ぜひ、今からでも遅くありませんので、普段のお手入れを見直して、自らの力でセラミドやNMFが作れる肌作りを目指しましょう♪
今回、乾燥肌と微弱炎症の関係について詳しくお話してくださったのは、国産オーガニックコスメ「HANAオーガニック」代表の林田七恵さんです。
HANAオーガニックのスキンケアは、抗炎症、抗酸化、常在菌バランス、自律神経バランス全てをケアできるオーガニックコスメですので、微弱炎症ケアにとても適していると思います^^
公式サイトHANAオーガニック